JUDF|スクーバダイビング 指導団体 全日本潜水連盟

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  • 2025.07/30

    第47回「鳥人間コンテスト2025」レスキューチーム参加報告

    2025年7月25日(金)から27日(日)にかけて、琵琶湖にて開催された「Iwatani スペシャル 鳥人間コンテスト2025」(主催:読売テレビ)に、ボランティアレスキューチームの一員として参加いたしました。

     

    「鳥人間コンテスト」とは

    「鳥コン」の愛称で親しまれている本大会は、「プラットフォーム」と呼ばれる高さ10mの離陸台から人力飛行機を飛ばし、その飛行距離を競うテレビ企画のコンテストです。

    競技は、ペダルを漕いでプロペラを回す「人力プロペラ部門」とグライダーのように滑空する「滑空機部門」に分かれており、各チームが創意工夫を凝らした機体で挑戦します。

    飛行機がプラットフォームを離れると、カメラボート、距離測定ボート、ドローン操縦ボートが追走し、レスキューチームは水上オートバイおよびレスキューボート2艇にて安全確保・支援業務を担当します。

     

    レスキューチームの活動は以下の3部署で構成され、それぞれが適宜ローテーションしながら業務を遂行します。

    • レスキューボート乗船:湖面への着水後、パイロットの救助や機体の曳航・回収を担当
    • プラットフォーム下待機:万一の落下時に備えた即時対応を実施
    • 本部支援業務:燃料管理、飲食物の提供、資材準備、ゴミ回収・分別などの裏方作業

     

    活動概要

    7月25日(金)準備日 午後到着後、レスキューチーム本部(テント)の設営、備品準備、湖面設備(ブイ等)の設置を実施。東海大学・東京海洋大学・中央大学などのダイビング部所属の学生を対象に、湖面でのレスキュートレーニングも行いました。 夕方にはハンググライダーによるリハーサルが実施され、実際の救助および回収手順を確認しました。

     

     

    7月26日(土)競技1日目:人力プロペラ部門

    気象条件により飛行の成否が左右される中、競技は順調に進行。13チームの飛行が終了した時点でタイムアップとなり、最終チームの競技は翌日に持ち越されました。

    7月27日(日)競技2日目:滑空機部門

    朝一番には、東北大学の人力プロペラ機が飛行(結果については後日放映をご覧ください)。その後は滑空機部門がスタートし、順調に回転しました。 飛行距離の長短にかかわらず、各チームの挑戦に熱意が感じられ、湖面では笑顔や悔しさが交錯する印象的な時間となりました。

     

    本大会の様子は、以下の日時にテレビ放映予定です:

    📺 2025年9月3日(水)19:00〜 日本テレビ系列にて放映

    ぜひご覧いただき、熱い挑戦と安全支援の舞台裏にもご注目ください。

     

     

     

    今回初めて参加していただいた、中央大学、東京海洋大学の学生さんたちから参加レポートをいただきましたので追加掲載します。

    【鳥人間コンテスト2025 参加レポート】

    2025年の夏、これまでテレビでしか見たことのなかった鳥人間コンテストに、JUDFの学
    生ボランティアとして関わる機会をいただきました。まさか自分が、あの熱いドラマの裏
    側に携わることになるとは思ってもみませんでした。
    今回はレスキュー要員として参加しました。特に印象深かったのは、人命救助の最前線で
    した。過去、トライアスロンにJUDF学生ボランティアとして2度参加し、いずれも無事故
    で終えられた経験はありましたが、今回は常に「浮力体のない人間を救助する」という張
    り詰めた緊張感の中で活動でした。
    しかし、その緊張感を和らげ、力強く感じさせてくれたのが、毎年参加しているプロのレ
    スキューチームでした。特に、水上バイクで誰よりも早く現場に駆けつけ、レスキューす
    る姿や何艇ものボートで駆けつける様は、まさに「真のレスキュー」そのものでした。機
    体回収が主な役割だった私ですが、船長の機体の動向を予測しながらの操船技術や、機体
    を迅速かつ安全に回収するためのロープワークなど、間近で見る専門技術の一つひとつが
    、大きな学びとなりました。
    また日頃、ダイビングでボートに乗る機会はあっても、専門的なロープワークを学ぶ機会
    はなかったので、船の係留や機体を固定する際に教えていただいた技術は、大きな収穫で
    した。
    またレスキュー業務の中で各大学、企業が青春のすべてをかけて作り上げた機体を追いか
    け、そして、1フライトにすべてかけ、全力で応援する仲間たちの声援と一喜一憂。テレ
    ビ画面越しでは感じきれなかった、あの特別な空気に自分も包まれているという事実に、
    胸が熱くなりました。現場にいるからこその体験でした。
    大会の成功は、華やかな表舞台だけではなく、レスキューをはじめ、裏方一人ひとりの力
    によって支えられていることを実感しました。人命救助という最も重要な任務を完遂する
    ため、プロフェッショナルな方々と共に活動できたことは、私の人生にとってかけがえの
    ない経験になりました。(中央大 4年 B.K.さん)

     

     

    初めて鳥人間コンテストのレスキュー活動に参加させていただき、パイロットのレスキ
    ュー補助やプラットフォーム下での待機、水上バイクによる機体の破片回収などを担当し
    ました。間近で見る飛行機の迫力には毎回興奮しましたが、不安定な飛行で今にも着水し
    そうなときには、一気に緊張感が高まりました。特に印象に残っているのは、先輩方がレ
    スキューに向かう姿を間近で見たときです。どんな状況でも落ち着いて動き、的確に声を
    かけて安全を確保していて、その一瞬の判断と動きは経験を通して得られるものだと思い
    ました。一方で、自身が実際にレスキューに向かった際には、見ていたときとはまったく
    違う緊張感がありました。状況が常に変化する中で、自分が今何をすべきかを瞬時に判断
    しなければならず、とても難しく感じました。それでも、訓練で教わったことや先輩の姿
    を思い出しながら行動することで、最善を尽くせたと思います。この経験から、ただ知識
    や技術を持っているだけではなく、それらを発揮するための心構えと経験の大切さを強く
    実感しました。今後、ダイビングや海での活動中に万が一レスキューが必要な状況に直面
    した際には、今回の経験を活かして冷静に行動し、スムーズな救助に貢献したいです。(中央大 4年 H.R.さん)

     

     

    今回初めて鳥人間コンテストのレスキューに参加させていただきました。昨年参加した先
    輩からとても良い経験になるということを聞いていたので、今年の参加を楽しみにしてい
    ました。
    会場は琵琶湖ということで、普段潜っている海とは異なる環境でした。プラットフォーム
    下で落下してくる機体に備え待機するのですが、機体の準備や風の調子により待機時間が
    長くなることが多くありました。その間に、プラットフォーム下でブラックバスなどを観
    察することができ、淡水ならではな環境を体験することができました。
    本題のレスキューに関して、実際に私たちが人をレスキューすることはなかったですが、
    緊迫した実際の人のレスキューを見ることができました。自分は機体の回収をしましたが
    、緊張感のある現場で素早さが求められました。そこで冷静に判断し行動に移すことが重
    要で、これはどのレスキューにも共通することであります。命を守るため、事前に訓練を
    し、常に動けるように予測しておくことが必要です。普段の活動から意識したいと思いま
    した。
    また、鳥人間コンテストに参加している同じ学生の姿を見て感じたこともありました。思
    うような結果にならなかったチームもあり、涙している学生も少なくありませんでした。
    そこまでに打ち込む姿に感動しました。私もそのように何か熱中してやり遂げたいと思い
    ました。
    また機会があれば、鳥人間コンテストのレスキューに参加させていただきたいです。(東京海洋大 2年 S.K.さん)

     

     

    私は初めて鳥コンテストに参加して、様々な経験をさせてもらいました。
    今回自分は、主に機体の回収と、プラットフォーム下での待機、機体片回収をしました。
    プラットフォーム下では、琵琶湖に向かい飛び立っていく機体を水面近くから見るという
    貴重な体験ができました。そして機体回収の際は、飛び立つ飛行機が着水するまで見届け
    られたので、選手の努力、そして機体の作りこまれている様子を間近で見られました。
    こういった鳥人間コンテストならではの経験と共に、今回自分はレスキューにおける重要
    なことを学べたという風に考えています。私は普段、大学の部活内でダイビングをしてお
    り、セルフダイビングに行くことも多くあります。部活動内でレスキューの練習をしては
    いるものの、実際にそういった状況に直面したことはありません。しかし今回の鳥人間コ
    ンテストのレスキューでは、機体を長時間、全力で操縦したパイロットが浮力になるもの
    を持たずに着水するという状況が当然起こりえます。こういった時にレスキューの方は、
    着水した瞬間にボートから飛び込み、一瞬でパイロットのもとにたどり着くのです。そし
    てパイロットに対して、「もう大丈夫ですよ。レスキューチューブにつかまってください
    。」と優しく声をかけていた。私はこういった迅速さと、相手を安心させてあげられる一
    言をかける事がレスキューに必要なのだと感じました。
    初めての参加ということで、この鳥人間コンテストの会場全体の選手や応援する観客の緊
    張感を感じただけでなく、レスキューの人たちの大会運営と選手の安全を第一に考える迅
    速な行動にとても感心しました。鳥人間コンテストのような人々の夢が詰まった番組には
    、陰で支えてくれるレスキューの人々がいるから成り立つのだと感じました。非常に学び
    があり、楽しかったです。また是非参加したいです!(東京海洋大 2年 S.S.さん)

     

     

    私は、昨年度鳥人間コンテストのレスキューに参加していた先輩からの話を聞き、人生
    でこんな経験ができる機会はなかなかないと思って参加させていただきました。初めてこ
    のようなレスキュー活動に参加させていただきましたが、実際に目前で行われるレスキュ
    ーの方々の動きを見ていて、いかに迅速に動けるかが大事であるかを知りました。特に、
    レスキューの人が、素早く動いているジェットスキーから要救助者の手前で飛び降りたと
    きは、本当に一分一秒、できる限りの最速で助けに向かっているのだと知り、驚きました

     また、鳥人間コンテストに参加する人たちの思いを直接感じることができました。着水
    した機体を綺麗な形で船の上に回収できた帰路、その翼が風を受けてまだ飛ぼうとしたの
    です。まるで着水してもなお、その機体のチームの思いを背負って飛ぼうとしているかの
    ように見え、鳥肌が立ちました。更に、それぞれの機体にはチームの寄せ書きがされてい
    ました。それを見て、この猛暑の中、1時間以上も機体を動かし続けることができる理由
    がわかった気がしました。
     今回、テレビやスマホの画面越しではなく、鳥人間コンテストに直接関わることができ
    るとても貴重な機会に参加することができました。レスキューでは、上記のことに加え、
    大勢の人々の協力でこの番組が成り立っていたことなど、たった2日間とは思えないほど
    のたくさんの大きな学びを得ることができました。この体験をもとに、人命救助により真
    剣に取り組むようにし、人への感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思います。(東京海洋大 2年 M.Y.さん)

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